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＊ これまでのイベント／見学会など
＊ 古民家のこころ
＊ 自邸のこと
＊ 平塚幼稚園／移築ごっこ
＊ ドーム作りのワークショップ／秘密基地を作ろう！
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『あいこでしょ！』第７号 ２００２０６１９
目次
＜ベスト１６！！＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞ 柿渋
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＜ベスト１６！！＞
日本、ベスト１６！
これはきっと快挙と言うべきなのだと思います。 ８強が出そろい、決勝トーナメントもいよいよ終盤。 日本は負けてしまいましたが、まだベッカムがいるし、私はますます盛り上がっています。
実は、わが子が東京都ジュニアサッカー大会世田谷ブロックで、１６日に予選リーグを１位で通過し、ベスト１６進出、これから決勝トーナメントが始まるのです。 最初に当たるのが、優勝候補で、きびしい試合になりそうですが、目指せ！都大会！
（ワールドカップよりこっちの方がドキドキです）
１６日といえば幼稚園で柿渋塗りの作業をしていたのですが、そんな訳で、携帯片手に逐一試合結果を気にしながらの作業でした。 （私事で失礼）
本題の柿渋塗りは、前日のおやじの会の片付けに集まってくれた人たちも加わって、順調に終えることが出来ました。 ありがとうございました。
これまでいろいろな形で、みなさんに参加していただいた移築も、いよいよ完成を迎える段階になりました。 今回の柿渋塗り、今週末窓ガラスに和紙を貼る作業、本名へのお礼として贈る鉛筆立ての穴明け、大掃除、そして２９日の竣工式と、完成に向けてみなさんに参加して楽しんで（？）いただく企画をいくつか考えていますので、よろしくお願いします。
仕事がいくつも重なってしまい、ご無沙汰してしまったことをお詫びいたします。
相子芳也
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＜工事のようす＞ 砂場と足洗い場、フェンスと整地
建物は完成し、外回りの砂場や足洗い場、整地やフェンスなども出来てきました。
新圓舎の中で走り回る子供達はとても楽しそうです。
今後も、使っていく中で、さらに手を入れながら、より良い園舎にしていきたいと考えています。
＊これからの予定
渡り廊下、既存園舎の老朽部の補修・改築、耐震補強、職員室等の使い勝手の
改善など、引き続き進めていく予定です。 まだしばらくあし抜け出来そうも
ありませんので、これからもよろしくお願いします。
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＜設計者のつぶやき＞
竣工の近付いたこの時期になると、いつも様々な思いが去来してきます。 楽しかったことはもちろんですが、反省すべきことで胸はいっぱいになってしまいます。 いろいろ差し引いても、施工の質を問うことも必要でしょう。
新圓舎でひとりぼーっとすることが多くなっています。 いつも、大事に育てた愛娘を嫁にやる花嫁の父の心境になるのがこの時期です。
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＜ひと・人・ヒト＞
工事に携わってくれた各職方の人たちを名前だけですが、紹介します。
本名解体運搬：�觀葦鼻＼虱娵亜�湯田秀市、坂内正夫
大工： �詼拿桟� 棟梁神邊徹、堀眞治、田中寛
鳶職：�訐仞酖斂據‘�石川柾至、石川真一
材木：�蟲氾頂猝敕后ゝ氾跳桧譟�井上秀樹
屋根・板金：粟竹錻力店 粟竹実、粟竹豊
木製建具：�蠡戚澄‖静通�
サッシュ：�蟆崗床鮎忙凖后〃�栖昭夫
左官：ホームメイク 笹原次正
外装吹付け：丸芳工業所 渡辺芳夫
塗装：�訐�見塗工所 浄法寺一雄
タイル：�詈�岸タイル 峰岸岩夫
電気設備：信濃電設 荒井広和
給排水設備：岩沢設備 岩沢照美
防水：野口ラス工業所 野口光一郎
園舎解体工事：時田土建 時田高充
建築金物：�覺殀抄睚� 津野豊
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＜こぼれ話＞ 柿渋
床以外の木部には柿渋が塗られています。 柿渋と言うと、番傘や渋うちわを連想する人が多いと思います。 製法は青い未熟の渋柿を搾り、酵母を加えて醗酵させ（１週間ほど）その後、２〜５年熟成させて出来上がるそうです。 防腐、防水、染色などの効果があるとされています。 渋、つまりタンニンには高血圧、二日酔い防止、やけど切り傷などにも効果があると効能書きにはあり、薄めて飲んでも体に良いそうですが、その方面は専門ではないのでなんとも言えません。 どなたか勇気のある人は試してみて下さい。
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『あいこでしょ！』第６号 ２００２０４０８
目次
＜外壁の色？色？＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞ 堀住建
＜こぼれ話＞ セピトール
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＜外壁の色？色？＞
板洗いに追われて、ご無沙汰してしまいました。
新たんぽぽのみなさん、御入園おめでとうございます。 新ちゅうりっぷ、新ふじのみなさん、御進級おめでとうございます。
ところで、外壁の色ですが、賛否両論あると思いますが、みなさんどうお感じになられましたでしょうか？
「幼稚園らしくない」と感じた人。 反対に、「どこかの新築幼稚園のように幼稚園幼稚園してなくてかえって良い」と思った人。 「園長がやりたいならやりたいようにやれば」というさめた人。 「古材を使ったこの建物には渋くてなかなか」と気を使ってくれる人。
さて、みなさんは？
正直にいえば、私は設計の段階では白い外壁のイメージを持っていました。
外壁の色をきめる段階になって、古材が一番生きるのは黒ではないかとの園長先生の言葉に、ずいぶんと悩みましたが、やってみましょうといまの色になりました。
幼稚園・保育園の設計は過去に５件ほどやりましたが、いつもいわゆる幼稚園らしい原色をカラフルに使ったことはありません。 こどもに原色を与えたがるのは、かわいいと思う大人の先入観ではないかと考えています。 確かに、生後数カ月だけは色彩感覚は未発達ですが、すぐに中間色も認識するようになります。
子供達が保護色の昆虫を見つける名人であることでもわかると思います。
色を含め、子供達が育つ環境として何が良いのか考えた時、目で見、手で触れるものが作り物でない本物であること、できればそれも自然素材の物であること。 そしておとなの鑑賞にも十分耐えるものでありたいと思っています。
相子芳也
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＜工事のようす＞ 外壁の板張り、内部の壁の板張り
２ヶ月ちかくご無沙汰しているうちに、工事の方は大分進みました。（ご無沙汰していたのはこのメールマガジンで、現場にはほとんど毎日行っていますけど）
外壁にモルタルを塗り、吹付けをしました。 大工さん達は下地つくりが多かったので、目に見えて進んだ感じがするのはここ３週間ぐらいでしょうか。
外壁が張られ、内部の腰板が張られるとあの本名小学校がよみがえってくるようで、感慨もひとしおといったところです。 そうそう、あの階段もつきました！！
忘れてはいけません、卒園した子供達に色を染めてもらった手摺もついています。
＊これからの予定
４月第３週 この週で、トイレを除く１階の部屋は大体の形が出来上がると思
います。
その後、大工さん達は２階の工事を進め、まだまだ雑然としてい
る中庭に砂場や水飲み場を作る工事も進めていきます。
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＜設計者のつぶやき＞
建築の工事は、近隣の方々に少なからぬ御迷惑をお掛けしながら、御理解に支えられて進めることが出来ます。（都心のまん中でこんな保育をしている、この幼稚園は工事中ばかりでなく、日頃から！？） 近隣の方の理解を得るのはなかなか難しいのですが、基本はお互いに疑心暗鬼にならず、誠意を持って話し合うことだと考えています。 うるさ型と思われる人でも話をするうちに、感じたことを正直に伝えてくれているんだと分かったりします。 どこか、保育のなかでの子供どうし、親同士の関係にも通じるものがあるかもしれません。
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＜ひと・人・ヒト＞ 堀住建
今さらですが、大工さんをちゃんと紹介してなかったので、神邊さん、田中さんたちを紹介します。
お母さん達に大人気の神邊さんは、堀住建の社長さんです。 ときどき手伝いに来てくれる豊君は神邊さんの息子さんです。 若々しく見える神邊さんですが、あんなに立派な息子さんがいるのは驚きです。 若くして結婚、子供が出来てから大工をはじめ、仕事をこなす力をかわれて社長にまでなったのではないでしょうか。
最初からずっと今回の仕事に携わってくれているのが田中さん。 今回の移築は田中さんなくしては出来なかったと言ってもいいほど、古い技術にも精通した田中さんの力は大きいものがありました。 チョウナという道具を使える大工さんはいまはほとんどいません。
その他にも、今回の仕事をとても良く理解してくれていた柳田さんや、後半ずっと来てくれている成田さん、石野さん達の力によって、ここまで建物が出来あがってきたわけで、とても感謝しています。
あともう少しですが、園長先生の思い入れを理解して、良い仕事をしてほしいと心から願っています。
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＜こぼれ話＞ セピトール
「セピトール」という名前を聞いて、何のことかわかる人はまずいないと思います。
これは、除湿剤の製品名で、床下の全面に敷き詰められています。 スペイン産の岩を細かく砕いたもので、珪藻土、炭などと同じく、多孔質で、湿気などの吸着性があるそうです。
感の良い人なら、スペインと聞いただけで、ピンと来ていると思いますが、園長先生がスペインにはまるようになったいきさつに関わりのある人からの紹介で、これを使うことになりました。
つくづく、人と人のかかわりのうえに出来上がった園舎なんだと思います。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０４２２
４月２０日（土曜日）に、板洗いを行ないました。
今回もお母さん達の力が目覚ましく、予想以上にはかどりました。
２階の床に張られた、自分達で洗った板のうえに腰をおろすと、温かく感じるのは気のせいでしょうか。
みなさん、いつも本当にありがとうございます。
＜次回のお知らせ＞
次回は
４月２７日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。
いよいよ次回で板洗いも最終回になります。 慰労の意味も込めて打ち上げというのはいかがでしょう。 ささやかに準備したいと考えています。
みなさんお誘い合わせの上ご参加ください。
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『板洗い、次回のお知らせ』 ２００２０４１５
＜次回のお知らせ＞
次回は
４月２０日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。
新学期が始まり、気持ちも新たに、移築の最終段階を迎えようとしています。
今回は、新入園のみなさんとのはじめての共同作業になりますので、楽しみにしています。 新学期にも、２回ぐらいは板洗いの作業をしたいと思っています。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０４０３
３月３０日（土曜日）に、板洗いを行ないました。
外壁の下見板が張られ、腰板が張られ、みなさんに洗っていただいた成果が形になって来ました！！！ ワクワクドキドキ、感涙ものです。
みなさん、いつも本当にありがとうございます。
＜次回のお知らせ＞
次回は
４月６日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。
続いてきた板洗いも、工事の進行状況により、あと何回出来るかわかりません。
毎週毎週で大変でしたが、もうすぐ終わってしまうと思うと寂しい気もします。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０３２７
３月２３日（土曜日）に、板洗いを行ないました。
満開の桜を堪能しました。
みなさん、いつも本当にありがとうございます。
＜次回のお知らせ＞
次回は
３月３０日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。
予報では雨のようなので、雨天中止となります。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０３１９
ふじ組のみなさん御卒園おめでとうございます。
３月１６日（土曜日）に、板洗いを行ないました。
この日はUさん以外全員がお母さま達でした。 母は強し！ 板を運ぶ力仕事もめきめきとこなしていく姿は、ほれぼれするものがありました。
外壁に使っていた下見板を全部運びましたので、次回で下見板を洗いおわります。
次回はふじ組の謝恩会と重なりますので、ふじのお母さん達は参加できないと思いますが、たんぽぽ、ちゅうりっぷのみなさんよろしくお願いいたします。
いよいよ来週から洗った板を張りはじめるそうです！！ 乞う御期待。
みなさん、いつも本当にありがとうございます。
＜次回のお知らせ＞
次回は
３月２３日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。
このころ、ちょうど幼稚園の桜が満開になっていると思います。
板洗いがてら、ビール片手に、幼稚園でお花見するというのもいいのでは。
みなさんお誘い合わせの上ご参加ください。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０３１０
何人かの希望者がいましたので、予定を変更して、急きょ３月９日（土曜日）も、板洗いを行ないました。
三寒四温、寒い日もあるのですが、日頃のみなさんの行いが良いのでしょう、作業の日はいつも暖かく、作業中は上着を脱いでも汗をかくほどでした。
前回に引き続き、外壁に使っていた、下見板を洗いました。 本名小学校はかつて、明るい黄緑のペンキが塗られていました。 古びたこげちゃいろの板壁のイメージが強い私達には明るい黄緑の外観はちょっと想像しにくいものがあります。 でも、そんなことを想像したり、洗った板がどこにどんなふうに使われるか、想像したりしながら洗っていると、つらい作業もたのしく出来るかな？
早く、洗った板が張られるといいですね！！
みなさん、本当にありがとうございます。
＜次回のお知らせ＞
次回は
３月１６日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
に行います。よろしくお願いします。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０３０７
３月２日（土曜日）に、板洗いが行われました。
作業は、午前中に腰壁に張る杉の板の洗いが終了し、午後は外壁に使っていた、下見板に取りかかりました。
みなさん、毎週本当にごくろうさまです。
＜次回のお知らせ＞
３月９日はおやじの会が行われる予定ですので、みなさんそちらの準備に忙しいと思われます。 ９日は板洗いは行いません。 そこで、次回は
３月１６日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
になります。
（この日、わたくし相子は、こどもの学校の卒業式に出席しなければならず、午後からのお手伝いになります。みなさんごめんなさい。）
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０２２５
２月２３日（土曜日）に、板洗いが行われました。 当日の様子は画像を添付しましたので御覧ください。
作業のほうは、腰壁に張る杉の板の７割がたが終了しました。 腰板が終わると、いよいよ外壁に使っていた、下見板に取りかかります。
今回も、暖かく、作業日和でした。 そのうえ、くらしの会のほうとうをご馳走になり、たのしく作業をすることが出来ました。
みなさん、本当にごくろうさま、ありがとうございました。
くらしの会の皆様、ごちそうさまでした。
＜次回のお知らせ＞
３月２日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
毎週になり、特に呼び掛け人の方々は負担になると思いますので、交代で、あるいは出られる方が出れば良いのではないでしょうか。 「ごっこ」ですから、負担と感じず、楽しめる範囲で進めていきましょう。
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『板洗いのお礼と次回のお知らせ』 ２００２０２１９
２月１６日土曜日に、Hさん、Uさん、Yさんの呼び掛けで、板洗いが行われました。 当日は保育のなかで、園児達も全員で板洗いに参加し、賑やかに、新園舎移築に参加体験しました。
おかげさまで、作業は予想より早く進み、２階の床に張る予定の板をすべて洗い終えることが出来ました。 みんなが力をあわせると大きなパワーになることを改めて感じました。
引き続き、腰壁に張る杉の板を運んできて、洗いはじめました。 床板にはボンドが付いたものがあるので、苦労しましたが、腰板はあまり汚れていないので、作業は早く進みそうです。 ただ、うすくて割れやすいので、扱いに気を使います。 そんな腰板のなかにはとてもきれいな年輪を持つものもありました。
当日は、暖かく、作業日和でしたが、やはり暖かい豚汁はごちそうでした。
みなさん、本当にごくろうさま、ありがとうございました。
＜次回のお知らせ＞
２月２３日（土曜日） 午前の部 ９：３０〜１２：００
午後の部 １３：００〜１５：３０
この日は、くらしの会がほうとうを食べる会をやるそうですので、お裾分けにあずかれるかも知れません。
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『あいこでしょ！』第５号 ２００２０２１７
目次
＜効能書＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞
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＜効能書＞
ところで、、、。
「移築って、なんだかわくわくして愉しそう」と始めて、ここまで走ってきてしまいましたが、立ち止まっている余裕はないけど、ここらで、愛するかみさんにもらったバレンタインチョコでも食べながら、「移築ってなんだろう」と考えてみるのもいいかも。
旧本名小学校の払下げを受けるにあたり、昨年６月金山町役場に提出した、「再利用計画書」という書類があります。 そこに、もらいたい一心で、いろいろ理屈を並べました。 もう一度整理してみると、
・再利用（リサイクル）による省資源、省エネルギー
労力がいっぱいかかるってるので、省エネルギーじゃないように見えるけど、
新しい建材を生産し、運搬する時に消費される化石エネルギーを考えれば、
きっと省エネだと思います。 夏休みの受け渡し会の時にみんなで雑魚寝した、
体育館は解体され、全て焼却処分されてしまったそうです（合掌）。
・物を大切にする事を実体験として、経験する機会
子供達は汚い柱梁より、ほわほわのカンナ屑の方が愉しいみたいだけど、
こころのすみっこにでも残ってくれたら嬉しい。
・科学物質を含まない天然素材の使用
・広い意味で文化（歴史）の継承
物として再利用するだけでなく、物に刻み込まれたなにかが見えるかも。
「再生」と言う言葉にはそんな意味が込められているのかも知れません。
・地元との交流
一私立幼稚園と、一設計事務所で出来る事は限られているけど、これは予想
以上に愉しい経験でした。
こんなふうに並べてはみたけど、理屈がひとりよがりな理屈のままで終わらないよう、やっぱりみんなで愉しいが一番大切なのかも知れません。
相子芳也
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＜工事のようす＞ 外壁の下地づくり、一階の床板張り
少しづつ、少しづつですが、完成の姿が想像できるようになってきています。
１階の床の下地が張られて、歩きやすくなり、また少し部屋らしくなりました。
この後、フローリングを張ります。 さあ、いよいよフローリングが張られれば、
子供達が新園舎の一部で遊ぶ事も出来るようになってくるでしょう。
そうそう、電気屋さんも見えないところで配線の工事を進めています。
外廻りは、軒先きをペンキ屋さんが塗装したり、外壁は防水をして、網を張り、
左官屋さんがモルタルを塗っていきます。
＊これからの予定
２月１、２週 床下地
３、４週 １階のフローリング張り、外壁モルタル塗り
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＜設計者のつぶやき＞
建物を建てるには確認申請というのが必要になるのですが、今回の園舎増築に関しては、何しろ敷地が広いため、大規模敷地という事で、確認申請前に廻らなければならない部署が８つもあり、けっこう時間をとられてしまいました。
目黒区のみどりと公園課と、都庁の自然環境部に同じような書類を、別々に提出しなければならない、いわゆるお役所仕事はどうにかならないものかと、いつも感じてしまいます。
そんななか、毎日新聞に大きく報道された事を建築指導課ではみんな知っていて、
幼稚園脇の砂利道あたり、杓子定規にいけば、かなり問題のあるところ、建築主事（建築指導課で一番偉い人）はとても好意的な判断をくだしてくれました。
マスコミの力は大きいなと感じる一方、それだけ多くの人が見ている事に、あらためて背筋をのばしています。
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＜ひと・人・ヒト＞ 村の人々
一番雪の多いこの時期、本名の村の人々の暮らしは今どんなでしょう。
本名小学校の用務員としてずっと学校を見守ってきた、雪下のおじいさん。 子供達に自分の畑でお芋掘りをさせてくれたやっぱり雪下のおばさん。 保護者の人たちとも多いに盛り上がってくれた長谷川さん。
雪下さん、菅家さん、栗田さん、青柳さん、渡部さん、目黒さん、ありがとうと言えば、本村のほとんどの人にお礼が言えたことになるのが本名のいいところ。
一度だけ、一人列車を使い、日帰りで行った事があります。 帰りの列車待ちの時間、本名駅となりの自宅に招き入れて下さり、山芋をさっと揚げたおやつをごちそうしてくださった菅家さん、あの味が忘れられません。
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＜こぼれ話＞ 黒皮
あちこちに、真っ黒な重々しい金物が、梁や柱を留めるのに使われています。 これらは園長先生が本名に行くたびに、せっせと拾い集めてきたものです。
その昔、農具を作る鍛冶屋さんがどこの村にもあったそうです。 この金物も近くの鍛冶屋さんがトンテンカンと打って作ったものかも知れません。（ロマンですね）
それにしても、６８年も前の鉄が全く錆びていないのには驚きです。 その秘密はその黒い色にあります。 黒皮と呼ばれるこの黒い色は酸化鉄で、とても安定した金属です。 ステンレスが錆びないのも実は酸化鉄の皮膜が覆っているからなのです（見た目はかなり違いますが）。
３０年ほど前に、現代の技術によって、コルテン鋼という酸化鉄が表面を覆い、錆びない鋼材が開発されました。 成分分析したわけではありませんが、７０年も前の村の鍛冶屋さんが、朝もはよから精魂込めて鎚打つことで錆びない鉄を作っていたとすれば、なんとすごいことではありませんか！！！
古い建物に関わっていると、こんなところにも楽しみがあるのです。
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『あいこでしょ！』第４号 ２００２０１３０
目次
＜手前味噌＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞
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＜手前味噌＞
お礼が遅くなりましたが、Utsu-utsuさん投稿ありがとうございました。園舎移築の建築的意義を整理して下さり感謝してます。
そこで今回は、「移築で元通り作るだけなのに設計って何するの？」という声も聞こえてきますので、手前味噌は承知で、設計の仕事について少しお話させていただきます。
最初に園長先生から言われたのは、ただ必要な教室を作るだけでなく、園の敷地全体の将来計画を見据えて、あるべき姿を考えてほしいと言う壮大(！)なものでした。それから時間を見つけては敷地図とにらめっこ。今ある園舎を全部取り壊して更地にするならいろいろ考え様もあるのですが、１年間幼稚園を休園するわけにもいかないし、、、。 そこで、舞台のある建物から動物小屋を通って、藤組の脇を通り、新園舎に通じる一本の軸線を核にする事を考えました。専門用語でクラスター型プランと言います。この軸線を見つけた事で、将来の可能性を最大限に残し、保育への影響を最小限にとどめることことのできる新園舎の配置が決まりました。
さて、次にどんな建物がこの幼稚園に最もふさわしいかという事で、移築する事を園長先生に提案し、実現する事になった経緯は前にお話した通りです。
移築する事になったのはいいけど、古材という限定された条件の中で（しかもそれを最大限に生かすように）敷地も限られ、防火地域であり、小学校でなく幼稚園を設計するという悪戦苦闘（？）が始まったわけです。
幸いな事に、昭和８年に建てられた部分がちょうどよい大きさでした。三日間をかけ旧本名小学校の実測調査をしている最中、南北を逆転して（北側廊下を南側の吹き放し廊下にして）、長さを４メートルほど縮めるとぴったり使えるとひらめきました。高さも１.５〜２.５メートル低くする必要があります。１階と２階を貫く通し柱がありますので、１階をそのままに、２階だけで縮めなければなりません。
古い柱と梁をできるだけもとのまま使った上で、トイレを北側には付け足し、東側は入れ込み、柱や梁を足したり引いたり、設計が進んでいきました。内装と外装は古い板や建具を使いながらも、元の学校とはだいぶ違う幼稚園が出来あがることと思います。
すっかり手前味噌になってしまいましたが、みなさんにはこれからも暖かく工事の進行を見守っていただけたらと願っています。
相子芳也
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＜工事のようす＞ 外壁の下地づくり、サッシュ取り付け
屋根が葺き上がりました。
旧本名小学校の窓はかなりの部分アルミサッシュに取り替えられていました。実はそのアルミサッシュもていねいにはずして、東京に運んできてあります。調整してサイズの合うものはこれも再利用しています。ただし、ここは準防火地域なので、ガラスは全て網入りがラスに取り替えなければいけません。
外壁がすっかり合板に覆われてしまい、上棟の頃の圧倒的な存在感が薄れ、普通の建物になっていく様は、何度経験してもどこか悲しいものがあります。木造は上棟の時、コンクリートの建物であれば型枠をはずしたばかりが、どこか遠い国の廃虚の遺跡に立った時のような深遠な感覚を覚えます。いつも表面的に小奇麗であるより、そんな感覚を持った建築を設計できるようになりたいと考えています。（またまた手前味噌！）
＊これからの予定
１月いっぱい 外廻りの軒先きなどの細部の仕事
２月に入ると床の下地を作って、一階の床板張り（これは子供達が素足で歩くの
でとげをささないよう、新しい材料を使います）
その後、大工さん達は１階の内装工事に入っていく事になり、
外壁モルタル塗の左官屋さん達の活躍ももうすぐ見られます。
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＜設計者のつぶやき＞ 「ごっこ」のこと
園長先生命名の「移築ごっこ」。はじめは「ごっこ」なんて、なんだか真似事だけでほんとに建たないような、ちょっと不真面目な響きもありましたが、園舎移築という他では経験できない事を、子供達ふくめ、多くの人たちと一緒に共有したいという園長先生の意図は、みなさんに支えられて、とても意義あるものになってきたと思います。いまではとても良い命名だったような気がしているのが不思議。
それにつけても、技術的な設計以上に建物の存在意義を深め、付加価値を高める事こそ建築家の使命などと、言い訳しながら、イベントごとにしゃしゃり出て、忙しくなってしまうのはただの祭り好き？
そんなこんなで、ときどき仕事と遊びの境界線がわからなくなってしまうけど、ま、いいか、愉しければ！なにしろ「ごっこ」なんだから。
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＜ひと・人・ヒト＞ よ、中村屋！
廃校の情報が入って、園長先生といっしょにとるものもとりあえず本名に飛んでいったのですが、小学校を見て、気がついてみればカラスも家路につく時間。日が暮れた見知らぬ土地で、頼るは園長先生の動物的感のみ。飛び込みで投宿したのが、湯倉温泉の鶴亀荘でした。美人女将の接待で、ちょうど季節の山菜を懐石風に手をかけた料理に舌鼓を打ち、他では飲めない美味しい日本酒に、改めて動物的感に感心したのでした。聞けば、御主人もお子さん達も本名小学校の卒業生だそうです。
小学校に一番近い中村屋さんには何度もお世話になりました。こちらはとても家庭的で、お昼に戻った時など「おかあさん、ただいま！」と自然にでてしまう雰囲気。
気さくで話好きのおかあさんも昔はダムで働いたそうで、ここでも国土行政に大きく影響された村の姿が垣間見えました。
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＜こぼれ話＞ 栗と松
１階の天井を見上げると大きな梁が１４本異彩を放っています。このうち東側寄りで、黒っぽい７本が栗材です。黒っぽいのは栗の渋によるものだそうです。私達が眼にする栗林の栗の木は、せいぜい高さが５メートルほど、しかも広葉樹で枝が横に広がっています。これほどの太さで、真直ぐに７.５メートルの長さが切り出せる栗の木はいったいどんな大木だったのか想像も出来ません。
松の梁は山の三本松のうち２本をこの学校のために切り倒して使ったらしいとの話もありましたが、今となってはどこだったのか知る由もありません。ただ本名小学校建設にかける村の人たちの意気込みが伝わってくる話です。
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『あいこでしょ！』新年号 ２００２０１０６
目次
＜みなさま新年あけましておめでとうございます＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞
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＜みなさま新年あけましておめでとうございます＞
疾風怒濤のごとく過ぎていった２００１年も、明けて２００２年を無事に迎える事が出来ました。私達一家は、例年どおり、除夜の鐘を聞きながら、祐天寺に初もうでに行き、工事の無事完成を祈ってきました。
工事と、幼稚園の保育は８日から始まりますが、７日 ９：００から、有志で七草粥を炊いて、無病息災を祈ると共に、移築ごっこの作業体験として、床板の高圧洗浄をします。ノズルを人に向けないようにすれば子供達にも出来ますし、洗った板の裏には日付けと名前が書ける「特典付き」です。細かい水滴が飛びますので、長靴があるとよいでしょう。（私はこのために釣り具の上州屋で、長靴を買いました。なんと４８０円ぽっきり！！）
それから、午後３：００頃、NHKラジオ第一で移築工事の様子が生放送で紹介される事になっています。
昨年中はみなさんに大変お世話になりました。今年が皆様にとって、幸多い一年でありますように！！！ 相子芳也
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＜工事のようす＞屋根工事、壁の下地づくり
屋根の下地の合板を張ったところで年越しとなってしまいました。
また、大形のクレーン車を入れるために時期をずらしていた階段室と、玄関ポーチの基礎が昨年中に出来ています。仕事始めにはこの部分の柱と梁の建て方をする事になるでしょう。
どんな建物になるのか知りたい人は、幼稚園に模型がおいてありますので、そちらを御覧になって下さい。
そうそう、当初の設計にトップライトが３ケ所追加されました。もう取り付けてありますので、現場で見る事が出来ます。
＊これからの予定
１月７日七草粥と板洗い
１月８日仕事始め。その後
階段室と、玄関ポーチの建て方
屋根工事
壁の下地を作る作業と続いていきます。
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＜設計者のつぶやき＞もうひとり（？）の主役
彼はどんなに酷使されても文句一つ言いません。いつも泥だらけで働き、会津からの帰り道で、調子が悪くなり、入院する騒ぎになっても、それでも何も言いません。彼の名前はハイエース。高速道路を１４０キロでかっ飛び、昭和村の一般道を１００キロで駆け抜け、山道をスキーのごとくスラローム、凸凹道でガンガンお腹を打ってもびくともしないタフガイ。屋根の上に本名小の便所のスノコをのせたその姿は、サービスエリアでもひときわ異彩を放っていました。
これまでに今泉先生はじめ多くの犠牲者がでているのですが、１０回ほど会津まで往復していながら、一度も酔った事がないのが私の自慢。
３０年間ペーパードライバーでゴールド免許の私はいつも助手席。でも、どんなに寝不足でも居眠りをした事がないのも自慢（？）です。
池田先生、岩井先生もろとも谷底へ転落しそうになったり、雨の夜道で側溝にはまって動けなくなるのは、朝飯前。
いや〜いろいろありました。いま生きているのが不思議なくらい。こうゆうのをほんとに命がけで仕事をしていると言うんでしょうか！？
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＜ひと・人・ヒト＞薫栄のみなさん
千葉薫さん
今回、解体と運搬をしてくれた会津田島の（株）薫栄の社長さんです。外見は片腕がなく、顔の半分にも痛々しい傷跡が残っています。いまの奥さんが３人目で、子供が８人いると語ってくれた事がありますが、どれほどの人生の修羅場をくぐってきたのか、私などには想像にも及びません。そんな人だけが持つ、厳しさと優しさを同時に感じる人です。
そんな社長さんの人望でしょうか、雪の中わざわざ上棟式に来てくれた坂内（ばんない）さん、現場監督の湯田さん、運搬してくれた千葉さんの息子さんと穴沢さん、みんな仕事熱心で、よい人たちばかりでした。
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＜こぼれ話＞本名杉
本名小学校の裏手を流れる風來沢（かざきさわ）を車で２０分ほど、転落しないように注意しながらさかのぼると、周囲の山に点々と一本杉が立っているのを見る事が出来ます。これらが、天然に自生している本名杉です。毎年、２〜３メートルの積雪に倒されては起き上がってきた強い杉です。普通の杉の年輪が５〜１０ミリほどなのに対し、本名杉は１〜２ミリ程度しかありません。今、幼稚園で生き返ろうとしている１５ｃｍ角の柱で年輪を１００本近く数える事が出来ます。園長先生に言えば見せてもらえますので、みなさん是非見て下さい。
園長先生のアイデアで、この本名杉の柱を輪切りにして、コースター状のものを作り本名村のみなさんにお返しできればと、検討しているところです。
もちろん幼稚園のどこかにも使える様、設計変更を考えています。乞う御期待！
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『あいこでしょ！』第２号 ２００１１２１９
目次
＜上棟式にたくさんの参加ありがとうございました＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞
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＜上棟式にたくさんの参加ありがとうございました＞
本来であれば、上棟式の前に御案内を兼ねたメルマガを発行しなければならなかったのですが、あれよあれよと日にちだけが過ぎてゆき、とうとう遅ればせの今日になってしまいました。、、、反省！
相子芳也
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＜工事のようす＞微調整と屋根工事、壁の下地づくり
毎日様子が変わっていた建て方が完成し、上棟式が過ぎると、仮止めで建ち上げた柱や梁の垂直や水平を、すべての重量が載ったところで、もう一度正確に微調整していきます。この時に活躍するのが、上棟式でお話した巨大ターンバックルです。使っている様子は映像にも記録されました。（ナイショですが、実はヤラセで）
また、園長先生が本名に行くたびに拾い集めてきた手打ちの金物も、大工さん達が最大限再利用してくれています。
かなり専門的になってしまいますが、現在の在来工法が、「筋交い」と呼ばれる斜の材の突っ張りで地震に対抗するのに対して、今回の建物は伝統工法である「貫」で建物が地震に耐えるようになっています。いまの建築基準法ではこの貫工法は認められていないので、（６８年間積雪２メートルの重量に耐えてきたのに！）筋交いとの併用になりますが、厚さ３ｃｍ、高さ１２ｃｍ程の材料が柱を突き通しているところに注目して見ていって下さい。
＊これからの予定
１２月１９日ぐらいから屋根の下地を作る作業が始まります。引き続き、屋根屋さ
んが屋根を葺いていくのですが、これは年明けの作業になるかも知れません。
年内には貫を入れたり、間柱を入れたり、筋交いを入れたりする壁の下地を作る作
業も始まります。
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＜設計者のつぶやき＞あやしい二人
５月２日、園長先生と私は本名小学校の情報を得、まずは現物を見てからと、急遽現地に向かいました。
今にして思えば、ここで偉かったのは金山町教育長の星さんです。
どっからどう見ても園長先生と私、得体のしれない正体不明の凸凹コンビが、（幼稚園の園長ですと言って誰が信じてくれるでしょう）しかもあの泥だらけのハイエースで町役場に乗り付けて、いきなり『校舎ください』と言ったとき、門前払いにもせず、笑顔でちゃんと話を聞いてくれたのでした、、、、、感謝。
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＜ひと・人・ヒト＞青柳靖美さん
最初の出合いは道端でした。
職員旅行を兼ね、先生達が大挙して本名村を訪れた時、日頃静かな村は一気に騒々しく？いやいや華やかになったのでした。何事かと出てきた村の人々とすぐに親交を深めてしまうのは平塚幼稚園の先生達のスゴイところ。
上棟式にも来て下さった、靖美（やすよし）さんは（同性の人が多いので村では名前で呼び合う様です）本名小学校の元PTA役員で、統合、廃校に反対し、本名小学校を守る活動をしていました。今回、移築の主旨を理解して下さり、本名の窓口として、言葉に出来ない程お世話になりました。靖美さんがいらっしゃらなければ、村の方々との交流は出来なかったと言ってよいと思います。
温もりと都会的センスを合わせ持ち、歌の上手な靖美さんに、、、乾杯！
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＜こぼれ話＞木
前回はコンクリートと水の話をしましたので、今回は木と水の話です。
木場で丸太がいっぱい浮かんでいるところをテレビなどで御覧になった方も多い事でしょう。あれは、海に浮かべて乾燥させているのだと聞いた時には少々驚ろかされました。水に浮かべて、腐る事はあっても乾燥するというのは意外でしたから。
木の水分は、根から葉っぱまでの導管の中で自由に流動している遊離水と、細胞組織の中にある結合水という二つの形で存在しています。遊離水は比較的簡単に乾燥できるのですが、結合水をいかに乾燥させるかが木材乾燥のポイントになります。海に浮かべているのは、「なめくじに塩」と同じ原理で、浸透圧を利用して、この結合水を『乾燥』させているのでした。
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『あいこでしょ！』創刊号 20011111
目次
＜創刊にあたって＞
＜工事のようす＞
＜設計者のつぶやき＞
＜ひと・人・ヒト＞
＜こぼれ話＞
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＜創刊にあたって＞
多くの皆様に御心配をおかけしながら（？）進んでいる平塚幼稚園の園舎増築工事ですが、経緯のひとつひとつを皆様ひとりひとりに詳しくお話しする機会もなく、ましてや口下手なわたくし相子と園長先生ですので、皆様に十分伝わらないところもおおいと思います。そこで、少しでもお伝えする努力をしようとこのメルマガを始めてみました。口下手な上に筆無精な私ですので、トドコオリがちになることもあるかと思いますが、どうかよろしくお引き立て、シッタ激励の程よろしくお願いいたします。
なお、このメルマガは相子が独自に運営しているもので、平塚幼稚園の公式のものではありません。文責は全て相子にあることを御了解ください。 相子芳也
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＜工事のようす＞加工・基礎工事
工事の進行状況の今と、これからの予定をお伝えしようというコーナーです。
建築の工事は現場だけを見ていると、あっという間にすごく進む時と、何をやっているのかいつまでも大して変わらないように見える時があります。大工さん達は同じように一生懸命やっているのですが、大事な下地をやっている時ほど進んでいないように見えるものなのです。
さて今は、（有）堀住建の神戸さんや田中さんなど大工さん達が（隣の駐車場でもやっているので御覧になった方もいると思いますが）「キザミ」という作業をしています。
本名から運んできた材料をこんど建てる建物に合わせて、柱や梁のつなぎ目など「ホゾ」を加工する作業です。すでに一ヶ月以上この作業を続けていて、もう最終段階に入っています。今回は近くでやっているので見られますが、普通は別のところでやるので何も進んでいないように感ずるものです。ところがこの作業はとても重要で、上棟の時、住宅なら１日で（今回の幼稚園はそうはいきませんが）建ち上がるのはこの作業が間違いなく組み上がるように出来ているからなのです。ベニヤ板に番号を書いたものだけで立体が頭の中に組み立てられる大工さん達の頭の良さにはいつも舌を巻いてしまいます。
一方、敷地の方では基礎工事が進んでいます。天気に一番影響されやすい作業です。
こちらも別のところで鉄筋を曲げたり、コンクリートの型枠を作る作業が平行して行われています。こちらは石川組という鳶職（とびしょく）の仕事です。
＊これからの予定
１１月１５日ぐらいに基礎工事完了（の予定でしたが数日遅れるかも知れません）
１１月１９日ごろから建て方（柱と梁を組み上げる） 今回のメインイベント
一週間から十日ぐらいかかるかなと考えているのですが、
やってみなければわからないというのが正直なところ。
何しろあの梁とトラスですから！！
１１月末頃〜１２月始め 棟上げ
上棟のお祝に園児達がそれぞれのクラスでおもいおもいの「御幣」
（上棟式の時に棟の上に付けるお祝の飾り）を作ってくれそうです。
上棟をお祝する会については明日園からお便りが出ると思いますが、
園児達が保育時間の中で全員参加で行う会と、保護者を含め有志が
参加できる会と、通常の職人さん達の上棟式と、３回ありそうです。
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＜設計者のつぶやき＞信じられない！
文章にしようと思い返してみると、なんとも慌ただしく、しかし愉しい日々をこの一年近く過ごしてきた、そんな思いを改めて感じます。
園長先生が園舎の使い勝手について相談したいと夜中に事務所のドアを叩くようになって２年、具体的に今回の増築計画を話されたのがちょうど今から１年前のことでした。
あの口数の少ない園長先生との不思議な打ち合わせの光景はみなさんの御想像にお任せするとして、当初設計の前に、木を切り出すところからはじめて東京の木で建てるだとか、秋田から産地直送の材木を送ってもらって使うだとか、どこかの廃校になった学校の校舎をもらってくるだとか、そんなとりとめのない提案をいくつかしていました。
それぞれに知り合いのルートがあったので、その後、設計を進めながら各々可能性を探ってはいたのですが、日本中探したってそうそう都合良く廃校の校舎なんてあるはず無い、これは可能性０に近いと内心思って、木材の産地直送方式の方向で設計を進めはじめていました。
それが今、こんなことになってしまっているなんて！！まだ半分信じられないような気分です。
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＜ひと・人・ヒト＞小林政一さん
今回の移築の過程で、多くの人たちとのすばらしい出合いがたくさんありました。そしてこれからもきっといっぱいあると思います。そんな人々を改めて紹介していこうというコーナーですが、なにぶんにも人数が多過ぎてすべての人は紹介しきれないと思います。どうか御容赦ください。
小林政一さんは今回、廃校の小学校を探してほしいと依頼して、本名小学校の情報を教えてくれた人で、金山町の手前、昭和村で「古木屋」という古民家解体の仕事をしている人です。何年か前にある人の紹介で知り合いました。以前は東京でカメラマンをしていたと聞いたことがありますが、泥臭さの中に光るもののある人です。玉川高島屋や目白の「ゆうど」というギャラリーで「古木市」という古材の展示を毎年やっています。また「解体の学校」という古民家解体を体験する活動もしていますので、興味のある方は参加してみて下さい。
少々心残りなのは小林さんの経営する「美女峠」という魅力的な名前のペンションにとうとう泊まる機会がなかったことです。
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＜こぼれ話＞コンクリート
今ちょうど基礎工事をやっていますので、コンクリートの話をしましょう。良くある誤解が、コンクリートは水が蒸発して固まるというもの。実は、コンクリートは水（H2O)との化学反応で固まるので、水がたっぷり無いと反応が十分進まず、丈夫なコンクリートになりません。水中に沈めておく（もちろん形が崩れなくなってから）のが理想的なのです。
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